「看護師の求人」のこれから

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 世界ボクシング協会(WBA)バンタム級の王座に就き、3階級制覇を達成した亀田興毅(24)。だが日本人初の快挙にも同業者の反応は冷ややかだ。3つのタイトルのうち、王者を破って戴冠したのはWBC世界フライ級の内藤大助戦だけ。今回の王座決定戦も奇妙なマッチメークで、「ベルトの価値を下げて自分たちの首を絞めている」と疑問の声が相次ぐ。さらに客の入りまでサッパリで、興行面も行き詰まっているのが実情だ。

 さいたまスーパーアリーナで26日、亀田3兄弟がそろい踏みした「亀田祭り」。長男・興毅が登場し、メーンイベントとなったバンタム級の世界王者を決める試合は、なぜかこの階級では大した実績もないボクサー同士の対戦となった。

 そもそもWBAバンタム級の王者には、2008年5月からアンセルモ・モレノ(パナマ)が君臨。だが今年8月に7度目の防衛に成功すると、モレノは10月にいきなり「スーパー王者」に格上げされ、正規王座は空位となった。

 ここからとんとん拍子で、興毅に王者決定戦のマッチメークがおぜん立てされる。これが2006年に興毅が最初の世界タイトルを取った際の経緯と、奇妙なほどに酷似しているのだ。

 WBAフライ級から、1階級下げたライトフライ級に転じた途端、興毅は2位に入った。ここでタイミングよく、当時の王者がベルトを返上したため、ファン・ランダエタ(ベネズエラ)と王座決定戦を行い、疑惑の判定の末に王座に就いた。

 今回も興毅は、王座が空いたバンタム級に転じると、無名選手との1戦だけでランキング2位に。しかも今度は相手選びもうまくいった。

 同級5位のアレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)は、WBAスーパーフライ級元王者だが、一時引退を表明。今年10月に、11カ月ぶりの復帰戦を行ったばかりだ。

 それでもかつては強打で鳴らし、これまで日本人相手に7戦全勝した実績を恐れてか、興毅の父史郎氏(45)は「危険すぎる」と対戦を猛反対したという。だが、判定は3−0で興毅の圧勝に終わった。会場で観戦した格闘技ジャーナリストの片岡亮氏は、ムニョスについて「バランスは悪いし、全盛期とはほど遠い」と酷評した。

 こうして“亀田マジック”ともいうべきマッチメークの妙で、興毅は日本選手初の快挙を達成。タイトル3つのうち2つを、王者決定戦でつかんだ。しかも今回は、ランキングの上位にスーパー王者モレノを置いたまま。世界王者を倒したのは35歳の内藤大助に判定勝ちした昨年11月のWBCフライ級だけだ。

 片岡氏は「最初のライトフライ級は、初防衛戦でランダエタとダイレクトリマッチしただけで返上。フライ級は内藤に勝っただけで初防衛に失敗。今回も含めて3人にしか勝ってない。こんなことでは、3階級王者の権威はメチャクチャだ」と疑問を投げかける。

 それでも対外的に、「日本選手初の快挙」がアピール材料になればいいが、興行面でも振るわなかったことは痛恨だ。

 さいたまアリーナの客の入りは観衆1万1000と発表されたが、実際は3分の1程度。片岡氏は「興毅が提案した500円席も当日まで売り切れなかった」と明かす。さらに「客層が一般的な世界戦とまるで違う。いいパンチが入っても反応がないのに、亀田の大振りパンチがガードの上に当たると盛り上がるなど、本当にボクシングファンがいるのか疑問だ」と指摘。

 しかも、3兄弟から、かつてのようなトゲが消えたことで、大事なお客だった“アンチ亀田”も会場から姿を消した。TBS系列で中継された試合の平均視聴率は、女子フィギュアスケート、M−1グランプリなど裏番組が強力だったとはいえ、興毅戦が13・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。このままではビジネスとしても行き詰まってしまう。

 弟たちの試合はさらにお粗末だった。WBAフライ級の2度目の防衛戦に臨んだ次男の大毅(21)は、減量に苦しみ見せ場のない戦いに終始。微妙な判定で勝ちを拾ったが、階級を上げるため、タイトル返上が確定的だ。

 WBCバンタム級9位の三男・和毅(19)は、「亀田家の秘密兵器」としてカンフル剤の期待もあった。タイ人ボクサーに3回TKO勝ちしたが、片岡氏は「ひどい試合。和毅の見せかけの連打に、相手が自分から倒れてしまった」とあきれる。片岡氏は「強い選手なら一発で仕留められる。和毅はまだまだ、これからのボクサー」と評価する。

 それでも“亀田マジック”を使えば、和毅の「来年は世界タイトルを狙いたい」という目標も、王者を倒さず実現することが可能だ。片岡氏は「兄が王座を返上したところで、王者決定戦に入り込める」という裏技を指摘する。

 兄弟の間でベルトを“持ち回り”すれば、「3兄弟世界王者」はもちろん、一家でいくつの階級を制覇できるやら。ただし、こんなカラクリを知ったファンがどこまでついてくるか…。

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